妹が紐解くと結びて龍田山
今こそもみちそめてありけれ
- 歌の意味
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恋人の衣の紐を解くと結ぶ、その「たつ」という名の龍田山は、今まさに紅葉し始めたことだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2211
詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
龍田山が今まさに紅葉し始めたことを詠んだ歌で、上の句は恋人の衣の紐を「解く」「結ぶ」という恋の情景から「龍田」を導く序となっている。本巻の第二千百九十四首と同じく龍田山の紅葉の色づき始めを詠むが、そこでは雁の到来と結びつけたのに対し、この歌は恋の情趣を添えている。
初句「妹が紐」は恋人の衣の紐の意である。
二句「解くと結びて」は解くと結んでの意で、恋人との共寝を暗示する。上の句は「たつ」を導く序となっている。
三句「龍田山」は紅葉の名所として知られる山で、第二千百九十四首と同じ山である。
四句「今こそもみち」の「こそ」は強意の係助詞で、結句の「けれ」と係り結びをなす。
結句「そめてありけれ」の「けれ」は「けり」の已然形で、四句の「こそ」の結びである。紅葉の始まりに気づいた感動を示して結ぶ。
たつたやま:大和と河内の境にある山。紅葉の名所
- 出典
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万葉集
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明日香川黄葉流る葛城の 山の木の葉は今し散るらし
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雁がねの寒く鳴きしゆ春日なる 御笠の山は色づきにけり