- 歌の意味
- 夜が更けてから、しぐれよ降らないでおくれ。秋萩の根もとの葉の紅葉が散るのは惜しいから。
- 鑑賞
-
巻第十 秋雑歌 2215
詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
夜更けにしぐれが降って秋萩の根もとの葉の紅葉が散ることを惜しみ、しぐれに降らないでほしいと願う歌である。本巻の第二千百七十九首の「しぐれな降りそ」と同じく、紅葉を散らすしぐれに降るなと呼びかけている。前の第二千二百九首の萩の下葉の紅葉を惜しむ心とも通じる。
初句「さ夜更けて」の「さ」は接頭語で、夜が更けての意である。
二句「しぐれな降りそ」は「な…そ」で禁止を表し、しぐれよ降るなの意である。ここで二句切れとなる。
三句「秋萩の」は秋萩のの意である。
四句「本葉の黄葉」の「本葉」は根もとの方の葉の意である。
結句「散らまく惜しも」は散ることが惜しいの意で、一連に繰り返される結句である。
もとは:根もとの方の葉
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 夕されば雁の越え行く龍田山 しぐれに競ひ色づきにけり
- 次の歌
- 故郷の初黄葉を手折り持ち 今日ぞ我が来し見ぬ人のため