一年にふたたび行かぬ秋山を
心に飽かず過ぐしつるかも
- 歌の意味
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一年に二度とは訪れることのない秋の山を、心ゆくまで見ずに過ごしてしまったことだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2218
詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
一年に一度しか訪れない秋の山の紅葉を、心ゆくまで見ることなく過ごしてしまったと悔やむ歌で、黄葉の一連を締めくくる。紅葉の季節の過ぎ去ることへの惜しみと、それを十分に味わえなかった後悔が表れている。七夕歌の第二千七十七首の「一年にふたたび通ふ君にあらなくに」と同じく「一年にふたたび」の語で、一度きりのものの貴さを示している。
初句「一年に」は一年のうちにの意である。
二句「ふたたび行かぬ」は二度とは来ないの意である。秋の季節の一回性を示す。
三句「秋山を」は秋の山をの意である。
四句「心に飽かず」は心ゆくまで満ち足りずにの意である。
結句「過ぐしつるかも」の「つる」は完了の「つ」の連体形、「かも」は詠嘆である。見過ごした後悔を示して結ぶ。
すぐす:時を過ごす。やり過ごす
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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君が家の黄葉は早く散りにけり しぐれの雨に濡れにけらしも
- 次の歌
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あしひきの山田作る子秀でずとも 縄だに延へよ守ると知るがね