- 歌の意味
- 雄鹿が妻を呼んで鳴く山の岡辺にある早稲田は刈るまい。霜は降ったとしても。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2220
詞書は前の歌に続き「水田を詠む」
雄鹿が妻を呼んで鳴く山の岡辺の早稲田は、霜が降っても刈らずにおこうと詠んだ歌である。鹿の妻恋いの場を大切にしたいという心が表れており、鹿への思いやりとも、自身の恋心の投影とも読める。本巻の鹿の鳴く声の一連で詠まれた妻を呼ぶ鹿が、ここでは水田の歌の中に登場している。
初句「さを鹿の」は雄鹿のの意である。
二句「妻呼ぶ山の」は妻を呼ぶ山のの意である。
三句「岡辺なる」は岡のあたりにあるの意である。
四句「早稲田は刈らじ」の「じ」は打ち消し意志で、早稲田は刈るまいの意である。ここで四句切れとなる。
結句「霜は降るとも」の「とも」は逆接の仮定である。倒置によって決意の強さを最後に示している。
わさだ:早く実る稲を植えた田
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- あしひきの山田作る子秀でずとも 縄だに延へよ守ると知るがね
- 次の歌
- 我が門に守る田を見れば佐保の内の 秋萩すすき思ほゆるかも