- 歌の意味
- 天の海に月の舟を浮かべ、桂の楫を取り付けて漕いでいるのが見える、月の若者よ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2223
詞書「月を詠む」
天を海に、月を舟に見立て、桂の楫を取り付けて漕ぐ月の若者の姿を詠んだ歌で、題詞は「月を詠む」である。夜空を渡る月の動きを、若者が舟を漕ぐ姿として壮大に描いた幻想的な一首である。七夕歌の第二千四十三首の「天の川舟漕ぎ渡る月人壮士」や、本巻の第二千二百二首の月の桂と同じく、月を擬人化して詠んでいる。
初句「天の海に」は天を海に見立てた語である。
二句「月の舟浮け」は月を舟に見立てて浮かべての意である。
三句「桂楫」は月にあるとされる桂の木で作った楫の意である。
四句「懸けて漕ぐ見ゆ」は楫を取り付けて漕ぐのが見えるの意で、ここで四句切れとなる。
結句「月人壮士」は月を若者に見立てた語で、呼びかけの形で結ぶ。
かつらかぢ:桂の木で作った楫
つきひとをとこ:月を若い男性に見立てた語
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 夕さらずかはづ鳴くなる三輪川の 清き瀬の音を聞かくしよしも
- 次の歌
- この夜らはさ夜更けぬらし雁が音の 聞こゆる空ゆ月立ち渡る