- 歌の意味
- この夜は、もう更けてしまったらしい。雁の声の聞こえる空を、月が渡っていく。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2224
詞書は前の歌に続き「月を詠む」
雁の声の聞こえる空を月が渡っていくのを見て、夜が更けたらしいと推し量る歌である。月の動きによって夜の深まりを知る構図に、秋の夜の静けさと情趣が表れている。雁の声と月の光とが重なり、秋の夜空の情景が立体的に描かれている。
初句「この夜らは」の「ら」は接尾語で、この夜はの意である。
二句「さ夜更けぬらし」の「らし」は根拠ある推定で、ここで二句切れとなる。
三句「雁が音の」は雁の声のの意である。
四句「聞こゆる空ゆ」の「ゆ」は経由を表し、聞こえる空をの意である。
結句「月立ち渡る」は月が渡っていくの意である。推定の根拠となる月の動きを示して結ぶ。
よら:夜。「ら」は接尾語
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 天の海に月の舟浮け桂楫 懸けて漕ぐ見ゆ月人壮士
- 次の歌
- 我が背子がかざしの萩に置く露を さやかに見よと月は照るらし