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我が背子がかざしの萩に置く露を
さやかに見よと月は照るらし

歌の意味
あの方が髪に挿している萩に置いた露を、はっきりと見なさいと、月は照っているらしい。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2225

詞書は前の歌に続き「月を詠む」
 恋人が髪に挿した萩に置く露をはっきり見よというかのように、月が照っていると詠んだ歌である。月の光に照らされて輝く露と、それを身につけた恋人の姿とが重なり、美しい秋の夜の情景が描かれている。月の光に意志を認める擬人的な表現で、月を詠む一連の中に恋の情趣を添えている。

 初句「我が背子が」は女性が恋人を呼ぶ語である。
 二句「かざしの萩に」の「かざし」は髪に挿すもので、髪に挿した萩にの意である。
 三句「置く露を」は置いた露をの意である。
 四句「さやかに見よと」の「さやか」ははっきりしている意である。
 結句「月は照るらし」の「らし」は根拠ある推定である。月の光に意志を認めて結ぶ。

かざし:髪や冠に挿す草木の花や枝
出典
万葉集
前の歌
この夜らはさ夜更けぬらし雁が音の 聞こゆる空ゆ月立ち渡る
次の歌
心なき秋の月夜の物思ふと 寐の寝らえぬに照りつつもとな