心なき秋の月夜の物思ふと
寐の寝らえぬに照りつつもとな
- 歌の意味
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思いやりのない秋の月夜が、物思いをして眠れないでいるのに、むやみに照り続けていることだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2226
詞書は前の歌に続き「月を詠む」
物思いに眠れない夜に、思いやりもなく照り続ける秋の月を恨むように詠んだ歌である。美しい月の光が、かえって物思いを深めるものとして受け止められている。夏雑歌の第千九百六十四首のひぐらしが物思う時に鳴く嘆きと同じく「つつもとな」の語を用い、自然の美しさが心を乱すという嘆きを詠んでいる。
初句「心なき」は思いやりのない、情けのないの意である。
二句「秋の月夜の」は秋の月夜がの意である。
三句「物思ふと」は物思いをしてとの意である。
四句「寐の寝らえぬに」の「寐」は眠り、「らえ」は可能で、眠ることができないのにの意となる。
結句「照りつつもとな」の「もとな」はむやみにの意である。第千九百六十四首と同じ「つつもとな」の形で結ぶ。
い:眠り。睡眠
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が背子がかざしの萩に置く露を さやかに見よと月は照るらし
- 次の歌
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思はぬにしぐれの雨は降りたれど 天雲晴れて月夜さやけし