- 歌の意味
- 萩の花の咲いている野辺で、ひぐらしが鳴いているのにつれて、秋の風が吹いている。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2231
詞書は前の歌に続き「風を詠む」
萩の花の咲く野辺で、ひぐらしの声とともに秋の風が吹く様子を詠んだ歌である。萩の花、ひぐらしの声、秋風という三つの景物が重なり合い、初秋の野の情景が視覚、聴覚、触覚にわたって描かれている。本巻の第二千百三十四首と同じく「なへに」の語で、音と風の動きを同時にとらえている。
初句「萩の花」は萩の花のの意である。
二句「咲きたる野辺に」は咲いている野辺にの意である。
三句「ひぐらしの」はひぐらしがの意である。
四句「鳴くなるなへに」の「なる」は伝聞推定、「なへに」はそれにつれての意である。
結句「秋の風吹く」は秋の風が吹くの意で、三つの景物の重なりを示して結ぶ。
ひぐらし:蝉の一種。夕暮れなどにカナカナと鳴く
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 恋ひつつも稲葉かき別け家居れば 乏しくもあらず秋の夕風
- 次の歌
- 秋山の木の葉もいまだもみたねば 今朝吹く風は霜も置きぬべく