秋山の木の葉もいまだもみたねば
今朝吹く風は霜も置きぬべく
- 歌の意味
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秋の山の木の葉もまだ紅葉していないのに、今朝吹く風は、霜も置いてしまいそうなほど冷たい。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2232
詞書は前の歌に続き「風を詠む」
秋の山の木の葉がまだ紅葉もしていないのに、今朝の風は霜が置きそうなほど冷たいと詠んだ歌で、風の一連を締めくくる。季節の進みより早く訪れた寒さへの驚きが、風の冷たさによって表されている。本巻の第二千百九十三首などで秋風によって紅葉が進むとされたのに対し、この歌は紅葉より先に冷たい風が訪れたことを詠んでいる。
初句「秋山の」は秋の山のの意である。
二句「木の葉もいまだ」は木の葉もまだの意である。
三句「もみたねば」の「もみつ」は紅葉する意、「ね」は打ち消しの已然形、「ば」は逆接的な確定条件で、紅葉していないのにの意となる。
四句「今朝吹く風は」は今朝吹く風はの意である。
結句「霜も置きぬべく」の「ぬ」は強意、「べく」は推量で、霜も置きそうなほどにの意である。言いさしの形で寒さを示して結ぶ。
もみつ:紅葉する。色づく
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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萩の花咲きたる野辺にひぐらしの 鳴くなるなへに秋の風吹く
- 次の歌
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高松のこの峰も狭に笠立てて 満ち盛りたる秋の香のよさ