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高松のこの峰も狭に笠立てて
満ち盛りたる秋の香のよさ

歌の意味
高松のこの峰も狭いほどに笠を立て並べて満ち盛っている、秋の茸の香りのよさよ。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2233

詞書「芳を詠む」
 高松の峰いっぱいに傘を広げて生え盛る茸の、秋の香りのよさをたたえた歌で、題詞は「芳を詠む」である。茸を詠んだ歌は万葉集でも珍しく、峰を埋め尽くす茸の群れの様子が「笠立てて」と生き生きと描かれている。秋の味覚の香りをたたえる点で、秋雑歌の中でも異色の一首である。

 初句「高松の」は高円の地とされる。
 二句「この峰も狭に」の「狭に」は狭いほどにの意である。
 三句「笠立てて」は茸が傘を広げている様子を笠を立てるのにたとえている。
 四句「満ち盛りたる」は満ち満ちて盛りであるの意で、字余りの句である。
 結句「秋の香のよさ」は体言止めで、秋の茸の香りのよさをたたえて結ぶ。

か:香り
出典
万葉集
前の歌
秋山の木の葉もいまだもみたねば 今朝吹く風は霜も置きぬべく
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一日には千重しくしくに我が恋ふる 妹があたりにしぐれ降れ見む