玉たすき懸けぬ時なし我が恋は
しぐれし降らば濡れつつも行かむ
- 歌の意味
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心にかけない時はない私の恋は、たとえしぐれが降っても、濡れながらでも行こう。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2236
詞書は前の歌に続き「雨を詠む」
心にかけない時のない恋のために、しぐれが降っても濡れながら恋人のもとへ行こうと決意する歌である。春相聞の第千九百十五首の、春雨の降るのも知らずに出て来たという歌と同じく、雨をものともしない恋のひたむきさが表れている。前歌のしぐれに濡れる寂しさに対し、この歌はしぐれに濡れても行こうという強い意志を示している。
初句「玉たすき」は「懸く」にかかる枕詞である。たすきを肩に掛けることから導く。
二句「懸けぬ時なし」は心にかけない時はないの意で、ここで二句切れとなる。
三句「我が恋は」は私の恋はの意である。
四句「しぐれし降らば」の「し」は強意、「ば」は仮定で、しぐれが降ってもの意となる。
結句「濡れつつも行かむ」の「む」は意志である。濡れても行こうという決意を示して結ぶ。
たまだすき:美しいたすき。「たまだすき」で「懸く」「畝傍」などにかかる枕詞となる
かく:心にかける。思いを寄せる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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秋田刈る旅の廬りにしぐれ降り 我が袖濡れぬ干す人なしに
- 次の歌
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黄葉を散らすしぐれの降るなへに 夜さへぞ寒きひとりし寝れば