天飛ぶや雁の翼の覆ひ羽の
いづく漏りてか霜の降りけむ
- 歌の意味
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空を飛ぶ雁の翼の覆い羽の、どこから漏れて霜が降ったのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2238
詞書「霜を詠む」
空を飛ぶ雁が翼で天を覆っているのに、そのどこから漏れて霜が降ったのだろうかと不思議がる歌で、題詞は「霜を詠む」であり、秋雑歌を締めくくる。雁の翼が霜を防ぐという奇抜な発想に、機知と想像力の豊かさがうかがえる。雁の一連で詠まれた雁と、秋の終わりを告げる霜とを結びつけ、秋から冬への移り目を示している。
初句「天飛ぶや」は「雁」にかかる枕詞で、字足らずの句である。
二句「雁の翼の」は雁の翼のの意である。
三句「覆ひ羽の」は覆っている羽のの意である。雁の翼が天を覆うと見なしている。
四句「いづく漏りてか」の「か」は疑問の係助詞で、結句の「けむ」と係り結びをなす。どこから漏れてかの意となる。
結句「霜の降りけむ」の「けむ」は過去推量である。霜の降った不思議を推し量って結ぶ。
あまとぶや:「雁」「軽」などにかかる枕詞
おほひば:覆っている羽
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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黄葉を散らすしぐれの降るなへに 夜さへぞ寒きひとりし寝れば
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秋山のしたひが下に鳴く鳥の 声だに聞かば何か嘆かむ