秋山のしたひが下に鳴く鳥の
声だに聞かば何か嘆かむ
- 歌の意味
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秋の山の紅葉した木の下で鳴く鳥の声のように、せめて声だけでも聞けたなら、どうして嘆くことがあろうか。
- 鑑賞
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巻第十 秋相聞 2239
詞書「秋相聞」
秋山の紅葉の下で鳴く鳥の声のように、せめて恋人の声だけでも聞けたなら嘆くことはないと詠んだ歌で、秋相聞の最初に置かれる。姿は見えずとも声だけでも聞きたいという、逢えない恋の切なさが表れている。秋雑歌で景物として詠まれた秋の山や鳥の声が、相聞では恋の比喩として用いられている。
作者の柿本人麻呂は飛鳥時代、持統朝から文武朝にかけて活躍した宮廷歌人である。この歌は左注によって「柿本人麻呂歌集」に出ると記される歌で、人麻呂自身の作か、人麻呂が書き留めた他人の歌かは定かでない。
初句「秋山の」は秋の山のの意である。
二句「したひが下に」の「したふ」は紅葉して赤く色づく意で、紅葉した木の下にの意とされる。
三句「鳴く鳥の」は鳴く鳥のようにの意で、上の句は「声」を導く序となっている。
四句「声だに聞かば」の「だに」はせめて…だけでも、「ば」は仮定である。
結句「何か嘆かむ」の「か」は反語の係助詞で、「む」の連体形と係り結びをなす。どうして嘆こうかと結ぶ。
したふ:紅葉して赤く色づく
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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天飛ぶや雁の翼の覆ひ羽の いづく漏りてか霜の降りけむ
- 次の歌
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誰ぞかれと我れをな問ひそ九月の 露に濡れつつ君待つ我れを