誰ぞかれと我れをな問ひそ九月の
露に濡れつつ君待つ我れを
- 歌の意味
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あれは誰だと私のことを尋ねないでください。九月の露に濡れながら、あなたを待っている私なのに。
- 鑑賞
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巻第十 秋相聞 2240
詞書は前の歌に続き「秋相聞」
九月の露に濡れながら恋人を待っている自分を、あれは誰かと尋ねないでほしいと訴える歌である。夕暮れの薄暗がりの中で、待つ姿を人に見とがめられる恥ずかしさと、それでも待ち続ける一途な心が表れている。「誰ぞかれ」は後の「たそがれ」の語源ともされ、夕暮れの薄暗さを思わせる。
作者の柿本人麻呂は飛鳥時代、持統朝から文武朝にかけて活躍した宮廷歌人である。この歌は左注によって「柿本人麻呂歌集」に出ると記される歌で、人麻呂自身の作か、人麻呂が書き留めた他人の歌かは定かでない。
初句「誰ぞかれと」はあれは誰だとの意である。
二句「我れをな問ひそ」は「な…そ」で禁止を表し、私のことを尋ねないでの意である。ここで二句切れとなる。
三句「九月の」は陰暦九月のの意である。
四句「露に濡れつつ」の「つつ」は継続で、露に濡れながらの意である。
結句「君待つ我れを」の「を」は詠嘆を含む接続助詞で、あなたを待っている私なのにの意となる。
たぞかれ:あれは誰かと問う言葉
ながつき:陰暦の九月
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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秋山のしたひが下に鳴く鳥の 声だに聞かば何か嘆かむ
- 次の歌
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秋の夜の霧立ちわたりおほほしく 夢にぞ見つる妹が姿を