秋の夜の霧立ちわたりおほほしく
夢にぞ見つる妹が姿を
- 歌の意味
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秋の夜の霧が一面に立ちこめるように、ぼんやりと夢に見たことだ、恋人の姿を。
- 鑑賞
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巻第十 秋相聞 2241
詞書は前の歌に続き「秋相聞」
秋の夜に一面に立ちこめる霧のように、恋人の姿をぼんやりと夢に見たと詠んだ歌である。上の句の霧のおぼろさが「おほほしく」を導き、はっきりとは見えない夢の中の恋人の姿のもどかしさが表れている。春相聞の第千九百九首の「春霞山にたなびきおほほしく」と同じく、霧や霞から「おほほしく」を導く構成をとり、春の霞に対して秋の霧を詠んでいる。
作者の柿本人麻呂は飛鳥時代、持統朝から文武朝にかけて活躍した宮廷歌人である。この歌は左注によって「柿本人麻呂歌集」に出ると記される歌で、人麻呂自身の作か、人麻呂が書き留めた他人の歌かは定かでない。
初句「秋の夜の」は字余りの句で、秋の夜のの意である。
二句「霧立ちわたり」は霧が一面に立ちこめての意で、上の句は「おほほしく」を導く序となっている。
三句「おほほしく」はぼんやりとの意である。
四句「夢にぞ見つる」の「ぞ」は強意の係助詞で、「つる」の連体形と係り結びをなす。ここで四句切れとなる。
結句「妹が姿を」は恋人の姿をの意で、倒置によって夢に見た対象を最後に示している。
いめ:夢
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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誰ぞかれと我れをな問ひそ九月の 露に濡れつつ君待つ我れを
- 次の歌
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秋の野の尾花が末の生ひ靡き 心は妹に寄りにけるかも