- 歌の意味
- 春霞のたなびく田のほとりに仮小屋を構えて、秋の田を刈るまで思い続けさせることよ。
- 鑑賞
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巻第十 秋相聞 2250
詞書は前の歌に続き「水田に寄す」
春霞のたなびくころに田のほとりに仮小屋を構えてから、秋の田を刈るまでずっと思い続けさせられると詠んだ歌である。春から秋までという長い農作業の期間が、恋の思いの続く時間の長さを示している。本巻の第二千二百四十四首の種まきから刈り入れまで逢えないという歌と同じく、農事の長い時間によって恋の長さを示している。
初句「春霞」は春に立つ霞である。
二句「たなびく田居に」は霞のたなびく田のほとりにの意である。
三句「廬つきて」は仮小屋を構えての意である。
四句「秋田刈るまで」は秋の田を刈るまでの意である。
結句「思はしむらく」の「しむ」は使役、「らく」はク語法で、思い続けさせることよの意となる。
いほ:仮に作った小屋
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 鶴が音の聞こゆる田居に廬りして 我れ旅なりと妹に告げこそ
- 次の歌
- 橘を守部の里の門田早稲 刈る時過ぎぬ来じとすらしも