橘を守部の里の門田早稲
刈る時過ぎぬ来じとすらしも
- 歌の意味
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守部の里の門前の田の早稲は、刈る時期が過ぎてしまった。あの人はもう来ないつもりらしい。
- 鑑賞
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巻第十 秋相聞 2251
詞書は前の歌に続き「水田に寄す」
守部の里の門前の田の早稲を刈る時期が過ぎても訪れない恋人を、もう来ないつもりらしいと嘆く歌で、水田に寄する一連を締めくくる。早稲の刈り入れの時期が、恋人の訪れを待つ期限とされていたと考えられる。初句の「橘を」は橘の実を守る意から「守部」を導く序となっている。
初句「橘を」は橘の実を守る意から、次の「守部」の「守」を導く。
二句「守部の里の」の「守部」は地名とされる。
三句「門田早稲」は門前の田の早稲の意である。
四句「刈る時過ぎぬ」の「ぬ」は完了で、刈る時期が過ぎてしまったの意となる。ここで四句切れとなる。
結句「来じとすらしも」の「じ」は打ち消し意志、「らし」は根拠ある推定、「も」は詠嘆である。
かどた:家の門前にある田
わせ:早く実る稲
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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春霞たなびく田居に廬つきて 秋田刈るまで思はしむらく
- 次の歌
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秋萩の咲き散る野辺の夕露に 濡れつつ来ませ夜は更けぬとも