秋の穂をしのに押しなべ置く露の
消かもしなまし恋ひつつあらずは
- 歌の意味
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秋の稲穂をしなうほどに押しなびかせて置く露のように、いっそ消えてしまおうか。こうして恋い続けているくらいなら。
- 鑑賞
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巻第十 秋相聞 2256
詞書は前の歌に続き「露に寄す」
秋の稲穂をしなわせるほどに置く露のように、恋い続けるくらいならいっそ消えてしまおうかと嘆く歌である。本巻の第二千二百五十四首と同じ下の句をもち、上の句で露の置く場所を萩から稲穂に替えている。同じ嘆きが繰り返されることに、この表現が広く好まれたことがうかがえる。
初句「秋の穂を」は秋の稲穂をの意である。
二句「しのに押しなべ」の「しのに」はしなうほどに、「押しなぶ」は押しなびかせる意である。
三句「置く露の」は置く露のようにの意で、上の句は「消」を導く序となっている。
四句「消かもしなまし」は第二千二百五十四首と同じ句である。
結句「恋ひつつあらずは」は第二千二百五十四首と同じ結句である。
おしなぶ:押しなびかせる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が宿の秋萩の上に置く露の いちしろくしも我れ恋ひめやも
- 次の歌
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露霜に衣手濡れて今だにも 妹がり行かな夜は更けぬとも