古典和歌stream

秋萩の上に白露置くごとに
見つつぞ偲ふ君が姿を

歌の意味
秋萩の上に白露が置くたびに、それを見ながら偲ぶことだ、あなたの姿を。
鑑賞
巻第十 秋相聞 2259

詞書は前の歌に続き「露に寄す」
 秋萩に白露が置くたびに、それを見ながら恋人の姿を偲ぶと詠んだ歌で、露に寄する一連を締めくくる。萩に置く露の美しさが恋人の面影を呼び起こすものとなっている。前の三首が露の消えやすさに命のはかなさを重ねたのに対し、この歌は露の美しさに恋人の面影を重ねており、同じ萩の露に対する異なる心が詠まれている。

 初句「秋萩の」は秋萩のの意である。
 二句「上に白露」は上に白露がの意である。
 三句「置くごとに」は置くたびにの意である。
 四句「見つつぞ偲ふ」の「ぞ」は強意の係助詞で、「偲ふ」の連体形と係り結びをなす。ここで四句切れとなる。
 結句「君が姿を」はあなたの姿をの意で、倒置によって偲ぶ対象を最後に示している。

しのふ:思い慕う。偲ぶ
出典
万葉集
前の歌
秋萩の枝もとををに置く露の 消かもしなまし恋ひつつあらずは
次の歌
我妹子は衣にあらなむ秋風の 寒きこのころ下に着ましを