- 歌の意味
- 雄鹿が朝伏している野の草が若く短いので隠れきれないように、人に知られないようにしておくれ。
- 鑑賞
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巻第十 秋相聞 2267
詞書「鹿に寄す」
雄鹿が朝に伏している野の草がまだ若く短いので隠れきれないように、二人の恋が人に知られないようにと戒める歌で、題詞は「鹿に寄す」である。若草に身を隠しきれない鹿の姿に、隠しきれない恋の危うさを重ねている。秋雑歌の鹿の鳴く声の一連で詠まれた鹿が、相聞では忍ぶ恋の比喩となっている。
初句「さを鹿の」は雄鹿のの意である。
二句「朝伏す小野の」は朝伏している野のの意である。
三句「草若み」の「み」は原因を表し、草が若いのでの意である。上の句は「隠らひかね」を導く序となっている。
四句「隠らひかねて」は隠れきれないでの意である。
結句「人に知らゆな」の「ゆ」は受身、「な」は禁止で、人に知られるなの意となる。
かくらふ:隠れ続ける
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 出でて去なば天飛ぶ雁の泣きぬべみ 今日今日と言ふに年ぞ経にける
- 次の歌
- さを鹿の小野の草伏いちしろく 我がとはなくに人の知れらく