草深みこほろぎさはに鳴くやどの
萩見に君はいつか来まさむ
- 歌の意味
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草が深いのでこおろぎがたくさん鳴いている我が家の萩を見に、あなたはいつおいでになるのだろう。
- 鑑賞
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巻第十 秋相聞 2271
詞書「花に寄す」
草深く、こおろぎがたくさん鳴いている家の萩を見に、恋人はいつ来てくれるのだろうと待ちわびる歌で、題詞は「花に寄す」である。草深い家の寂しさと、萩の花を口実に恋人の訪れを待つ心とが表れている。夏相聞の第千九百九十首の、家の花橘を見にさえ来ないのかという歌と同じく、花を見に来てほしいと恋人を誘っている。
初句「草深み」の「み」は原因を表し、草が深いのでの意である。
二句「こほろぎさはに」の「さはに」はたくさんの意である。
三句「鳴くやどの」は鳴いている家のの意である。
四句「萩見に君は」は萩を見にあなたはの意である。
結句「いつか来まさむ」の「か」は疑問の係助詞で、「む」の連体形と係り結びをなす。恋人の訪れを待ちわびて結ぶ。
こほろぎ:秋に鳴く虫の総称。現在のコオロギに限らない
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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道の辺の尾花が下の思ひ草 今さらさらに何をか思はむ
- 次の歌
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秋づけば水草の花のあえぬがに 思へど知らじ直に逢はざれば