秋づけば水草の花のあえぬがに
思へど知らじ直に逢はざれば
- 歌の意味
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秋めいてくると水草の花がこぼれ落ちてしまいそうなほどに、私は思い悩んでいるけれども、あの人は知らないだろう。直接逢っていないのだから。
- 鑑賞
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巻第十 秋相聞 2272
詞書は前の歌に続き「花に寄す」
秋になって水草の花がこぼれ落ちそうになるほど思い悩んでいるが、直接逢っていないので相手はそれを知らないだろうと嘆く歌である。こぼれ落ちそうな花の姿に、あふれそうな恋心が重ねられている。伝えることのできない思いのもどかしさが、「知らじ」の語に表れている。
初句「秋づけば」は秋めいてくるとの意である。
二句「水草の花の」は水辺の草の花のの意である。
三句「あえぬがに」の「あゆ」はこぼれ落ちる意、「がに」はほどにの意で、こぼれ落ちそうなほどにの意となる。
四句「思へど知らじ」の「じ」は打ち消し推量で、思うけれども知らないだろうの意である。
結句「直に逢はざれば」の「直に」は直接にの意である。知られない理由を示して結ぶ。
あゆ:こぼれ落ちる。したたり落ちる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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草深みこほろぎさはに鳴くやどの 萩見に君はいつか来まさむ
- 次の歌
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何すとか君をいとはむ秋萩の その初花の嬉しきものを