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何すとか君をいとはむ秋萩の
その初花の嬉しきものを

歌の意味
どうしてあなたを嫌うことがあろうか。秋萩のその初花のように、うれしいものなのに。
鑑賞
巻第十 秋相聞 2273

詞書は前の歌に続き「花に寄す」
 どうして恋人を嫌うことがあろうか、秋萩の初花のようにうれしい存在なのにと詠んだ歌である。その年初めて咲いた萩の花の新鮮な喜びに、恋人と逢えるうれしさを重ねている。秋雑歌の第二千百十三首の初萩の開花を喜んだ歌と同じく、初花の喜びを詠んでいる。

 初句「何すとか」はどうしてかの意で、「か」は反語の係助詞である。
 二句「君をいとはむ」の「いとふ」は嫌う意、「む」は三句の「か」の結びで、あなたを嫌おうかの意となる。ここで二句切れとなる。
 三句「秋萩の」は秋萩のの意である。
 四句「その初花の」はその年初めて咲いた花のの意である。
 結句「嬉しきものを」の「ものを」は詠嘆を含む接続助詞で、うれしいものなのにの意である。

いとふ:嫌う。いやがる
はつはな:その年初めて咲いた花
出典
万葉集
前の歌
秋づけば水草の花のあえぬがに 思へど知らじ直に逢はざれば
次の歌
臥いまろび恋ひは死ぬともいちしろく 色には出でじ朝顔の花