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言に出でて云はばゆゆしみ朝顔の
穂には咲き出ぬ恋もするかも

歌の意味
言葉に出して言うのは恐れ多いので、朝顔の花のようには表に咲き出ることのない恋をしていることだ。
鑑賞
巻第十 秋相聞 2275

詞書は前の歌に続き「花に寄す」
 言葉に出して言うのは恐れ多いので、朝顔の花のようには表に現れない恋をしていると詠んだ歌である。前歌と同じく朝顔を持ち出し、表に出さない忍ぶ恋を詠んでいる。前歌が恋を色に出すまいと決意したのに対し、この歌はすでに表に出さない恋をしている姿を詠んでおり、二首で朝顔に寄せた忍ぶ恋を描いている。

 初句「言に出でて」は言葉に出しての意で、字余りの句である。
 二句「云はばゆゆしみ」の「ゆゆし」は恐れ多い、はばかられる意、「み」は原因を表す。
 三句「朝顔の」は朝顔の花のようにの意である。
 四句「穂には咲き出ぬ」の「穂に出づ」は表に現れる意で、表には咲き出ないの意となる。
 結句「恋もするかも」の「かも」は詠嘆である。忍ぶ恋を嘆いて結ぶ。

ほにいづ:穂が出る。表に現れる
出典
万葉集
前の歌
臥いまろび恋ひは死ぬともいちしろく 色には出でじ朝顔の花
次の歌
雁がねの初声聞きて咲き出たる 宿の秋萩見に来我が背子