長き夜を君に恋ひつつ生けらずは
咲きて散りにし花ならましを
- 歌の意味
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長い夜をあなたに恋い続けて生きているよりは、咲いて散ってしまった花であればよかったのに。
- 鑑賞
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巻第十 秋相聞 2282
詞書は前の歌に続き「花に寄す」
長い夜を恋い続けて生きているくらいなら、いっそ咲いて散ってしまった花であればよかったと嘆く歌である。恋の苦しみから逃れたいという思いを、散る花への羨望として表している。本巻の第二千二百五十四首などの「消かもしなまし恋ひつつあらずは」と同じく、恋い続けるよりは消えてしまいたいという思いを詠んでいる。
初句「長き夜を」は長い夜をの意である。
二句「君に恋ひつつ」はあなたに恋い続けての意である。
三句「生けらずは」の「ずは」は…するよりはの意で、生きているよりはの意となる。
四句「咲きて散りにし」の「に」は完了、「し」は過去の「き」の連体形である。
結句「花ならましを」の「まし」は反実仮想、「を」は詠嘆である。散った花であればよかったのにと結ぶ。
いく:生きる
- 出典
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万葉集
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朝露に咲きすさびたる月草の 日くたつなへに消ぬべく思ほゆ
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我妹子に逢坂山のはだすすき 穂には咲き出ず恋ひわたるかも