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我妹子に逢坂山のはだすすき
穂には咲き出ず恋ひわたるかも

歌の意味
愛しい妻に逢うという名の逢坂山のすすきのように、表に穂を出さずに恋い続けることだ。
鑑賞
巻第十 秋相聞 2283

詞書は前の歌に続き「花に寄す」
 逢坂山のすすきが穂を出さないように、思いを表に出さずに恋い続けると詠んだ歌である。「我妹子に」から「逢ふ」を導いて「逢坂山」とし、恋人に逢いたい思いを地名に込めている。本巻の第二千二百七十五首の「穂には咲き出ぬ恋」と同じく、表に出さない忍ぶ恋を詠んでいる。

 初句「我妹子に」は愛しい妻にの意で、次の「逢ふ」を導く。
 二句「逢坂山の」は山城と近江の境にある逢坂山で、「逢ふ」を掛けている。
 三句「はだすすき」は穂の出たすすきの意で、上の句は「穂」を導く序となっている。
 四句「穂には咲き出ず」は穂を出さずにの意で、思いを表に出さないことを示す。
 結句「恋ひわたるかも」の「わたる」はずっと続ける意、「かも」は詠嘆である。

はだすすき:穂の出たすすき
あふさかやま:山城と近江の境にある山。「逢ふ」を掛ける
出典
万葉集
前の歌
長き夜を君に恋ひつつ生けらずは 咲きて散りにし花ならましを
次の歌
いささめに今も見が欲し秋萩の しなひにあるらむ妹が姿を