- 歌の意味
- 我が家に咲いた秋萩が散ってしまって、実になるまで、あなたに逢わないことよ。
- 鑑賞
-
巻第十 秋相聞 2286
詞書は前の歌に続き「花に寄す」
家に咲いた萩が散り、実を結ぶまでの長い間、恋人に逢えないことを嘆く歌である。萩の花から実への移り変わりが、逢えない時の長さを示している。本巻の第二千二百八十首の萩の開花に逢えない時の長さを知る歌に続き、この歌はさらに時が進み、萩が実を結ぶまで逢えないことを嘆いている。
初句「我が宿に」は私の家にの意である。
二句「咲きし秋萩」の「し」は過去の「き」の連体形で、咲いた秋萩の意である。
三句「散り過ぎて」は散ってしまっての意である。
四句「実になるまでに」は実になるまでの意である。
結句「君に逢はぬかも」の「かも」は詠嘆である。逢えない嘆きを示して結ぶ。
み:実
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 秋萩の花野のすすき穂には出でず 我が恋ひわたる隠り妻はも
- 次の歌
- 我が宿の萩咲きにけり散らぬ間に 早来て見べし奈良の里人