秋の夜の月かも君は雲隠り
しましく見ねばここだ恋しき
- 歌の意味
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あなたは秋の夜の月なのだろうか。雲に隠れて、しばらく見ないと、これほど恋しいのは。
- 鑑賞
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巻第十 秋相聞 2299
詞書は前の歌に続き「月に寄す」
恋人を雲に隠れた秋の夜の月にたとえ、しばらく見ないだけでこれほど恋しいと詠んだ歌である。月が雲に隠れるように恋人に逢えない時の恋しさが、秋の月の美しさとともに表れている。本巻の第二千二十五首の七夕歌の「万代に照るべき月も雲隠り」と同じく、雲に隠れる月を逢えない恋人の比喩としている。
初句「秋の夜の」は字余りの句で、秋の夜のの意である。
二句「月かも君は」の「かも」は疑問の係助詞で、結句の「恋しき」と係り結びをなす。恋人を月にたとえている。
三句「雲隠り」は雲に隠れての意である。
四句「しましく見ねば」の「しましく」はしばらくの意で、しばらく見ないのでの意となる。
結句「ここだ恋しき」の「ここだ」はこれほどの意で、二句の「かも」の結びとして連体形で結ぶ。
くもがくる:雲に隠れる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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君に恋ひ萎えうらぶれ我が居れば 秋風吹きて月かたぶきぬ
- 次の歌
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九月の有明の月夜ありつつも 君が来まさば我れ恋ひめやも