- 歌の意味
- ええままよ、もう恋い慕うまいとするけれども、秋風の寒く吹く夜は、あなたのことを思ってしまう。
- 鑑賞
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巻第十 秋相聞 2301
詞書「夜に寄す」
もう恋い慕うまいと思い切ろうとしても、秋風の寒く吹く夜にはやはり恋人のことを思ってしまうと詠んだ歌で、題詞は「夜に寄す」である。恋を断ち切ろうとする意志と、寒い夜に募る恋しさとのせめぎ合いが表れている。本巻の第二千二百九十四首の「君をしぞ思ふ」と同じ結句をもつ。
初句「よしゑやし」はええままよと思い切る意の感動詞である。
二句「恋ひじとすれど」の「じ」は打ち消し意志、「ど」は逆接で、恋い慕うまいとするけれどもの意となる。
三句「秋風の」は秋風がの意である。
四句「寒く吹く夜は」は寒く吹く夜はの意である。
結句「君をしぞ思ふ」は第二千二百九十四首と同じ結句で、「し」「ぞ」の強意によって恋人への思いを強めて結ぶ。
あきかぜ:秋に吹く風
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 九月の有明の月夜ありつつも 君が来まさば我れ恋ひめやも
- 次の歌
- ある人のあな心なと思ふらむ 秋の長夜を寝覚め臥すのみ