秋つ葉ににほへる衣我れは着じ
君に奉らば夜も着るがね
- 歌の意味
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秋の木の葉の色に美しく染めた衣を、私は着るまい。あなたに差し上げたら、夜も着てくださるように。
- 鑑賞
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巻第十 秋相聞 2304
詞書「衣に寄す」
秋の木の葉の色に美しく染めた衣を自分は着ずに恋人に贈り、夜も着てほしいと願う歌で、題詞は「衣に寄す」である。衣を贈ることは恋の証とされ、夜も着てほしいという願いに、共寝の時に恋人を思ってほしいという思いが込められている。夏雑歌の第千九百六十一首の、衣を君に着せよとほととぎすが促す歌と同じく、衣を恋人に贈る心を詠んでいる。
初句「秋つ葉に」の「秋つ葉」は秋の木の葉の意である。
二句「にほへる衣」の「にほふ」は色美しく照り映える意で、美しく染めた衣の意となる。
三句「我れは着じ」の「じ」は打ち消し意志で、私は着るまいの意である。ここで三句切れとなる。
四句「君に奉らば」の「奉る」は差し上げる意、「ば」は仮定である。
結句「夜も着るがね」の「がね」は目的を表す終助詞で、夜も着てくださるようにの意である。
あきつは:秋の木の葉
まつる:差し上げる。献上する
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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秋の夜を長しと言へど積もりにし 恋を尽せば短くありけり
- 次の歌
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旅にすら紐解くものを言繁み まろ寝ぞ我がする長きこの夜を