旅にすら紐解くものを言繁み
まろ寝ぞ我がする長きこの夜を
- 歌の意味
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旅先でさえ紐を解いて寝るものなのに、人の噂がうるさいので、私は着のみ着のままで寝ている。この長い夜を。
- 鑑賞
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巻第十 秋相聞 2305
詞書「問答」
旅先でさえ紐を解いてくつろぐのに、人の噂がうるさくて恋人に逢えず、着物のまま独り寝をしていると嘆く歌で、題詞は「問答」である。人目や噂に妨げられる恋の苦しさと、秋の長夜の独り寝の寂しさとが重なっている。次歌の第二千三百六首と問答をなしている。
初句「旅にすら」の「すら」はさえの意で、旅先でさえの意となる。
二句「紐解くものを」の「ものを」は逆接で、紐を解くものなのにの意である。
三句「言繁み」の「言」は人の噂、「み」は原因を表し、噂がうるさいのでの意となる。
四句「まろ寝ぞ我がする」の「まろ寝」は着物を着たまま寝ること、「ぞ」は強意の係助詞で、「する」の連体形と係り結びをなす。ここで四句切れとなる。
結句「長きこの夜を」は長いこの夜をの意で、倒置によって時を最後に示している。
ことしげし:人の噂がうるさい
まろね:着物を着たまま寝ること。独り寝
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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秋つ葉ににほへる衣我れは着じ 君に奉らば夜も着るがね
- 次の歌
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しぐれ降る暁月夜紐解かず 恋ふらむ君と居らましものを