- 歌の意味
- どうせ降るのなら袖までも濡れて通るほどに降ってほしい雪が、空で消えてばかりいる。
- 鑑賞
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巻第十 冬雑歌 2317
詞書は前の歌に続き「雪を詠む」
どうせ降るなら袖が濡れ通るほど降ってほしいのに、雪が空中で消えてばかりいると残念がる歌である。本格的な雪景色を待ち望む心と、降りきらない雪へのもどかしさが表れている。前歌の消え残る雪に対し、この歌は空で消えてしまう雪を詠んでおり、雪の消える消えないの対照が見られる。
初句「こと降らば」の「こと」はどうせの意で、どうせ降るのならの意となる。
二句「袖さへ濡れて」の「さへ」は添加で、袖までも濡れての意である。
三句「通るべく」は濡れ通るほどにの意である。
四句「降りなむ雪の」の「な」は強意、「む」は推量で、降るであろう雪のの意である。
結句「空に消につつ」の「消」は消える意、「つつ」は反復で、空で消えてばかりいるの意となる。
く:消える
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 奈良山の嶺なほ霧らふうべしこそ 籬が下の雪は消ずけれ
- 次の歌
- 夜を寒み朝戸を開き出で見れば 庭もはだらにみ雪降りたり