- 歌の意味
- 私の袖に降った雪も、流れて行って、恋人の袖口に触れてくれないものか。
- 鑑賞
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巻第十 冬雑歌 2320
詞書は前の歌に続き「雪を詠む」
自分の袖に降った雪が流れて行って、遠くの恋人の袖口に触れてほしいと願う歌である。雪を仲立ちとして恋人とつながりたいという思いが、幻想的な表現で表されている。本巻の冒頭の第二千三百十二首の、袖に降る霰を妻に見せようと包み隠す歌と同じく、袖に降るものを恋人と結びつけている。
初句「我が袖に」は私の袖にの意である。
二句「降りつる雪も」の「つる」は完了の「つ」の連体形で、降った雪もの意である。
三句「流れ行きて」は流れて行っての意で、字余りの句である。
四句「妹が手本に」の「手本」は袖口の意である。
結句「い行き触れぬか」の「い」は接頭語、「ぬか」は打ち消しの疑問で願望を表す。触れてくれないものかの意である。
たもと:袖口。袖
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 夕されば衣手寒し高松の 山の木ごとに雪ぞ降りたる
- 次の歌
- 沫雪は今日はな降りそ白栲の 袖まき干さむ人もあらなくに