沫雪は今日はな降りそ白栲の
袖まき干さむ人もあらなくに
- 歌の意味
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泡雪よ、今日は降らないでおくれ。白い袖を枕にし、濡れた袖を乾かしてくれる人もいないのに。
- 鑑賞
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巻第十 冬雑歌 2321
詞書は前の歌に続き「雪を詠む」
泡雪に今日は降らないでほしいと願い、濡れた袖を乾かしてくれる人も共寝の相手もいないと嘆く歌である。独り身の寂しさが、雪に濡れた袖を乾かす人のいない心細さとして表されている。秋雑歌の第二千二百三十五首の、しぐれに濡れた袖を乾かす人がいないという歌と同じく、濡れた袖の寂しさを詠んでいる。
初句「沫雪は」は泡雪はの意で、呼びかけの対象である。
二句「今日はな降りそ」は「な…そ」で禁止を表し、今日は降るなの意である。ここで二句切れとなる。
三句「白栲の」は白い布のの意で、「袖」にかかる。
四句「袖まき干さむ」の「まく」は枕にする意で、袖を枕にし乾かすであろうの意となる。
結句「人もあらなくに」の「なくに」は打ち消しのク語法に「に」の付いた形で、人もいないのにの意となる。
あわゆき:泡のように柔らかく消えやすい雪
しろたへ:白い布
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が袖に降りつる雪も流れ行きて 妹が手本にい行き触れぬか
- 次の歌
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はなはだも降らぬ雪ゆゑこちたくも 天つみ空は雲らひにつつ