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はなはだも降らぬ雪ゆゑこちたくも
天つみ空は雲らひにつつ

歌の意味
それほどひどく降るわけでもない雪なのに、大げさにも、空は一面に曇り続けている。
鑑賞
巻第十 冬雑歌 2322

詞書は前の歌に続き「雪を詠む」
 それほど降るわけでもない雪のために、空が大げさに一面に曇り続けていると詠んだ歌である。わずかな雪に比べて大仰に曇る空の様子に、軽いユーモアが感じられる。本巻の第二千三百十七首の空で消えてばかりの雪と同じく、本格的に降らない雪を詠んでいる。

 初句「はなはだも」ははなはだしくもの意である。
 二句「降らぬ雪ゆゑ」の「ゆゑ」はここでは逆接で、降らない雪なのにの意とされる。
 三句「こちたくも」は大げさにも、仰々しくもの意である。
 四句「天つみ空は」の「み」は美称の接頭語で、空はの意である。
 結句「雲らひにつつ」の「雲らふ」は曇り続ける意、「つつ」は継続である。

くもらふ:曇り続ける
出典
万葉集
前の歌
沫雪は今日はな降りそ白栲の 袖まき干さむ人もあらなくに
次の歌
我が背子を今か今かと出で見れば 沫雪降れり庭もほどろに