- 歌の意味
- 愛しい人のために上の枝の梅を手折ろうとして、下の枝の露に濡れてしまったことだ。
- 鑑賞
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巻第十 冬雑歌 2330
詞書「露を詠む」
恋人のために上の枝の梅を手折ろうとして、下の枝の露に濡れてしまったと詠んだ歌で、題詞は「露を詠む」である。恋人のために苦労をいとわない心が、露に濡れた姿として表されている。春雑歌の第千八百三十九首の、君のためにゑぐを摘もうとして裳の裾を濡らしたという歌と同じく、愛する人のために身を濡らす姿を詠んでいる。
初句「妹がため」は愛しい人のためにの意である。
二句「ほつ枝の梅を」の「ほつ枝」は上の方の枝の意である。
三句「手折るとは」は手折ろうとしてはの意である。
四句「下枝の露に」の「下枝」は下の方の枝の意で、二句の「ほつ枝」と対をなす。
結句「濡れにけるかも」の「けり」「かも」は詠嘆である。
ほつえ:上の方の枝
しづえ:下の方の枝
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 雪寒み咲きには咲かぬ梅の花 よしこのころはかくてもあるがね
- 次の歌
- 八田の野の浅茅色づく有乳山 嶺の沫雪寒く降るらし