- 歌の意味
- 八田の野の浅茅が色づいている。有乳山の峰には泡雪が寒々と降っているらしい。
- 鑑賞
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巻第十 冬雑歌 2331
詞書「黄葉を詠む」
八田の野の浅茅が色づいたのを見て、有乳山の峰には泡雪が寒々と降っているらしいと推し量る歌で、題詞は「黄葉を詠む」である。秋雑歌の第二千百九十首や第二千二百七首の、身近な浅茅の色づきから遠くの景を推し量る歌と同じ構成で、そこでは紅葉やしぐれを推し量ったのに対し、この歌は冬の雪を推し量っている。
初句「八田の野の」は大和国の八田の野とされ、字余りの句である。
二句「浅茅色づく」は浅茅が色づくの意で、第二千百九十首の二句と同じである。ここで二句切れとなる。
三句「有乳山」は越前国(現在の福井県)の山である。
四句「嶺の沫雪」は峰の泡雪の意である。
結句「寒く降るらし」の「らし」は根拠ある推定である。
あさぢ:丈の低い茅萱
あらちやま:越前国の山
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 妹がためほつ枝の梅を手折るとは 下枝の露に濡れにけるかも
- 次の歌
- さ夜更けば出で来む月を高山の 嶺の白雲隠すらむかも