思ひ出づる時はすべなみ豊国の
由布山雪の消ぬべく思ほゆ
- 歌の意味
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思い出す時はどうしようもないので、豊国の由布山の雪が消えるように、消え入りそうに思われる。
- 鑑賞
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巻第十 冬相聞 2341
詞書は前の歌に続き「雪に寄す」
恋人を思い出す時はどうしようもなく、豊国の由布山の雪が消えるように、消え入りそうに思われると詠んだ歌である。前歌と同じ結句をもち、雪の場所を豊国の由布山という遠い地に替えている。遠い九州の山を詠むことから、旅の途中で故郷の恋人を思う歌とも考えられる。
初句「思ひ出づる」は思い出すの意で、字余りの句である。
二句「時はすべなみ」の「すべなみ」はどうしようもないのでの意である。
三句「豊国の」は豊前と豊後を合わせた国の意である。
四句「由布山雪の」の「由布山」は豊後国(現在の大分県)の由布岳である。上の句は「消」を導く序となっている。
結句「消ぬべく思ほゆ」は前歌と同じ結句で、消え入りそうな恋心を示して結ぶ。
とよくに:豊前と豊後を合わせた国
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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一目見し人に恋ふらく天霧らし 降りくる雪の消ぬべく思ほゆ
- 次の歌
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夢のごと君を相見て天霧らし 降りくる雪の消ぬべく思ほゆ