我が背子が言うるはしみ出でて行かば
裳引きしるけむ雪な降りそね
- 歌の意味
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あの方の言葉がうれしいので出かけて行ったら、裳を引いた跡がはっきりわかってしまうだろう。雪よ、降らないでおくれ。
- 鑑賞
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巻第十 冬相聞 2343
詞書は前の歌に続き「雪に寄す」
恋人の言葉がうれしくて逢いに出かけたら、雪の上に裳を引いた跡がはっきり残って人に知られてしまうから、雪よ降らないでほしいと願う歌である。恋人のもとへ行きたい心と、人に知られることを恐れる心とのせめぎ合いが、雪の上の裳の跡という具体的な姿に表れている。
初句「我が背子が」は女性が恋人を呼ぶ語である。
二句「言うるはしみ」の「うるはし」はうれしい、心ひかれる意、「み」は原因を表す。
三句「出でて行かば」は出かけて行ったらの意で、字余りの句である。
四句「裳引きしるけむ」の「裳引き」は裳の裾を引いた跡、「しるし」ははっきりしている意である。
結句「雪な降りそね」は「な…そ」で禁止、「ね」で願望を添える。雪に降らないでくれと願って結ぶ。
もびき:裳の裾を引くこと。その跡
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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夢のごと君を相見て天霧らし 降りくる雪の消ぬべく思ほゆ
- 次の歌
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梅の花それとも見えず降る雪の いちしろけむな間使遣らば