うかねらふ跡見山雪のいちしろく
恋ひば妹が名人知らむかも
- 歌の意味
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跡見山の雪がはっきりと白いように、はっきりと人目につくように恋い慕ったならば、恋人の名を人が知ってしまうだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 冬相聞 2346
詞書は前の歌に続き「雪に寄す」
跡見山の雪のように人目につくほど恋い慕ったなら、恋人の名が人に知られてしまうだろうかと恐れる歌である。恋人の名を守るために恋を忍ぼうとする心が表れている。本巻の第二千三百三十九首の吉隠の白雪と同じく、雪の白さから「いちしろく」を導いて忍ぶ恋を詠んでいる。
初句「うかねらふ」は獲物の跡をうかがう意から「跡見」にかかる枕詞である。
二句「跡見山雪の」の「跡見山」は大和国の山とされ、字余りの句である。上の句は「いちしろく」を導く序となっている。
三句「いちしろく」ははっきりとの意である。
四句「恋ひば妹が名」の「ば」は仮定で、恋い慕ったならば恋人の名をの意である。
結句「人知らむかも」の「む」は推量、「かも」は詠嘆を含む疑問である。
うかねらふ:獲物をうかがい狙う。「跡見」にかかる枕詞
とみやま:大和国の山とされる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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天霧らひ降りくる雪の消なめども 君に逢はむとながらへわたる
- 次の歌
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海人小舟泊瀬の山に降る雪の 日長く恋ひし君が音ぞする