和射見の嶺行き過ぎて降る雪の
いとひもなしと申せその子に
- 歌の意味
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和射見の峰を越えて降る雪のように、厭わしいことも何もないと、あの子に申し伝えておくれ。
- 鑑賞
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巻第十 冬相聞 2348
詞書は前の歌に続き「雪に寄す」
和射見の峰を越えて降る雪のように、自分には何の厭うこともないと、恋人に伝えてほしいと願う歌で、雪に寄する一連を締めくくる。旅の途中で遠く離れた恋人に、無事であることと変わらぬ思いとを伝えたいという心が表れている。雪の降る峰を越えて行く旅の厳しさの中で、恋人を思う心が詠まれている。
初句「和射見の」の「和射見」は美濃国の関ヶ原のあたりの地名とされ、字足らずの句である。
二句「嶺行き過ぎて」は峰を越えて行っての意である。
三句「降る雪の」は降る雪のようにの意で、上の句は「いとひ」を導く序となっている。
四句「いとひもなしと」の「いとひ」は厭うこと、差し障りの意で、何の差し障りもないとの意となる。
結句「申せその子に」の「申せ」は「言ふ」の謙譲語の命令形で、あの子に申し伝えておくれの意である。
わざみ:美濃国の地名とされる。今の岐阜県関ヶ原のあたり
いとひ:厭うこと。差し障り
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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海人小舟泊瀬の山に降る雪の 日長く恋ひし君が音ぞする
- 次の歌
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我が宿に咲きたる梅を月夜よみ 宵々見せむ君をこそ待て