若草の新手枕をまきそめて
夜をや隔てむ憎くあらなくに
- 歌の意味
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(若草の)初めての手枕を交わし始めて、夜を隔てたりしようか。憎いわけではないのに。
- 鑑賞
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巻第十一 古今相聞往来歌類之上 2542
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
初めて手枕を交わして共寝をした相手と、一夜でも離れて過ごしたりできようか、憎いわけではないのにと歌った、恋の歌である。結ばれたばかりの喜びと、片時も離れがたい思いを、反語を用いて率直に述べている。
作者は未詳である。巻第十一の作者未詳歌は、名を伝えない人々の恋の歌を集めたものである。
初句「若草の」は「新」にかかる枕詞で、若草のみずみずしさから新しいものを導いている。
二句「新手枕を」は、初めて交わす手枕を、の意である。「手枕」は腕を枕とすることで、男女の共寝を表す。
三句「まきそめて」は、枕とし始めて、の意である。「まく」は枕とする意である。
四句「夜をや隔てむ」は、夜を隔てて逢わずにいようか、いや隔てはしない、の意である。係助詞「や」は反語で、推量の「む」の連体形で結ばれ、ここで句切れとなる。
結句「憎くあらなくに」は、憎いわけではないのに、の意である。漢字原文では「二八十一」と記され、九九の「二八」(十六)と「八十一」を「にく」「く」に当てた戯書として知られる。
たまくら:腕を枕とすること。男女の共寝をいう
まく:枕とする、共寝する
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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た廻り行箕の里に妹を置きて 心空にあり地は踏めども
- 次の歌
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我が恋ふることも語らひ慰めむ 君が使を待ちやかねてむ