我が恋ふることも語らひ慰めむ
君が使を待ちやかねてむ
- 歌の意味
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私が恋しく思っていることも語り合って心を慰めようと思う、あなたの使いを、私は待ちきれないのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十一 古今相聞往来歌類之上 2543
詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
自分の恋しい思いも語り合って心を慰めようと思っている、その恋人からの使いを待ちきれないのだろうかと嘆いた、女の恋の歌である。恋人本人ではなく、せめてその使いと思いを語り合いたいという控えめな望みに、逢えない日々の寂しさがにじんでいる。
四句と結句「君が使を待ちやかねてむ」は、本巻の第二千五百四十八首の下の句と同じであり、類型的な表現として用いられていたことがわかる。また第二千五百二十九首は男の側から妻の使いを待つ歌、第二千五百四十五首は来た使いを帰す歌であり、使いをめぐる歌が近くに集められている。
作者は未詳である。巻第十一の作者未詳歌は、名を伝えない人々の恋の歌を集めたものである。
初句「我が恋ふる」は、私が恋しく思う、の意である。
二句「ことも語らひ」は、ことも語り合って、の意である。「語らふ」は互いに親しく語り合うことである。
三句「慰めむ」は、心を慰めようと思う、の意である。意志の助動詞「む」の連体形で、四句の「君が使」にかかっている。
四句「君が使を」は、あなたからの使いを、の意である。
結句「待ちやかねてむ」は、待ちきれないのだろうか、の意である。係助詞「や」の疑問を推量の「む」の連体形で結び、「かぬ」はできない意、「て」は強意の助動詞「つ」である。
かたらふ:互いに親しく語り合う
つかひ:恋人の間で便りを伝える使者
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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若草の新手枕をまきそめて 夜をや隔てむ憎くあらなくに
- 次の歌
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うつつには逢ふよしもなし夢にだに 間なく見え君恋ひに死ぬべし