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昨日見て今日こそ隔て我妹子が
ここだく継ぎて見まくし欲しも

歌の意味
昨日逢って、今日一日隔てただけなのに、いとしい妻にこんなにもしきりに続けて逢いたいことだ。
鑑賞
巻第十一 古今相聞往来歌類之上 2559

詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
 昨日逢ったばかりで今日一日離れているだけなのに、これほど続けて逢いたくてならないと詠んだ歌である。わずか一日の隔たりにも耐えられない、恋の始まりの高揚した男の心が率直に表れている。
 本巻の第二千五百五十四首にも「継ぎて見まくの欲しき君かも」とあり、続けて逢いたいと願う心を、女性の側と男性の側から詠んだ歌が近い位置に置かれている。また「ここだく」は第二千五百五十三首の「ここだ」と同じ語の類であり、恋の思いの多さを示す言葉が重ねて用いられているのである。
 作者は未詳である。巻第十一の作者未詳歌は、名を伝えない人々の恋の歌を集めたものである。

 初句「昨日見て」は、昨日逢って、の意である。「見る」は男女が逢うことをいう。
 二句「今日こそ隔て」は、今日は隔てているが、の意である。係助詞「こそ」で今日一日の隔たりを強く取り立てているが、結びは整わずに下へ続いている。
 三句「我妹子が」は、いとしい妻が、の意である。「我妹子」は男性が妻や恋人を親しんで呼ぶ語である。
 四句「ここだく継ぎて」は、こんなにもしきりに続けて、の意である。「ここだく」は、数多く、はなはだしく、の意である。
 結句「見まくし欲しも」は、逢いたいことだ、の意である。「見まく」は助動詞「む」のク語法、「し」は強意の副助詞、「も」は詠嘆の終助詞で、切実な思いを込めて歌い収めている。

わぎもこ:男性が妻や恋人を親しんで呼ぶ語
出典
万葉集
前の歌
愛しと思へりけらしな忘れと 結びし紐の解くらく思へば
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人もなき古りにし里にある人を めぐくや君が恋に死なする