- 歌の意味
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明日香川を明日も渡って逢いに行こう。飛び石の間が隔たっているような、遠のく心など思いもよらないことだ。
- 鑑賞
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巻第十一 古今相聞往来歌類之上 2701
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
明日香川を明日も渡って恋人のもとへ通おうと言い、心が遠のくことなど思いもよらないと詠む歌である。変わらぬ思いを誓い、毎日でも逢いに行こうとする一途な心が詠まれている。
川に寄せる歌で、「明日香川」と「明日」とで同じ音を重ね、軽やかな調べをつくっている。次歌も「明日香川」で始まり、二首が並べて置かれている。本歌が心の変わらないことを詠むのに対し、次歌は日ごとに増す恋の苦しさを詠んでおり、同じ川に寄せて恋の異なる面を詠み分けている。
作者は未詳である。巻第十一の作者未詳歌は、名を伝えない人々の恋の歌を集めたものである。
初句「明日香川」は、飛鳥の地を流れる川である。次の「明日」と同じ音を重ねて調子を整えている。
二句「明日も渡らむ」は、明日もまた渡ろうの意である。「む」は意志の助動詞で、明日も川を渡って恋人のもとへ行こうという思いを表し、ここで句切れとなる。
三句「石橋の」は、川の浅瀬に並べて置いた飛び石のことである。石と石との間が隔たっていることから、次の「遠き」を導いている。
四句「遠き心は」は、遠く隔たった心はの意で、心が恋人から遠のくことをいう。係助詞「は」で取り立てている。
結句「思ほえぬかも」は、思いもよらないことだの意である。「思ほえ」は自然に思われる意の「思ほゆ」の未然形、「ぬ」は打消の助動詞「ず」の連体形で、「かも」で詠嘆を込めて結んでいる。
いしはし:川の浅瀬に並べて置いた飛び石
おもほゆ:自然と思われる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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玉かぎる岩垣淵の隠りには 伏して死ぬとも汝が名は告らじ
- 次の歌
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明日香川水行きまさりいや日異に 恋のまさらばありかつましじ