ま日長く夢にも見えず絶えぬとも
我が片恋はやむ時もあらじ
- 歌の意味
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長い日々、夢にも見えず、仲が絶えてしまったとしても、私の片恋はやむときもないだろう。
- 鑑賞
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巻第十一 古今相聞往来歌類之上 2815
詞書は前の歌に続き「問答」
長い間夢にさえ見えず、二人の仲が絶えてしまったとしても、私の片思いはやむことがないだろうと答える歌である。報われなくとも思い続けるという、ひたむきな心が込められている。
左注の「右二首」によって前歌と一組をなす答えの歌である。前歌の「ま日長く」「夢に見えずて」を「ま日長く夢にも見えず」と受け、前歌の慰めようのない嘆きに対して、たとえそうであっても恋はやまないと応じている。前歌の「我が恋」に対して本歌は「我が片恋」と言い、一方的な思いであっても変わらないことを示している。
作者は未詳である。巻第十一の作者未詳歌は、名を伝えない人々の恋の歌を集めたものである。
初句「ま日長く」は、長い日数にわたって、の意である。前歌の三句と同じ語で、問いの言葉を受けて答えを起こしている。
二句「夢にも見えず」は、夢にさえ見えず、の意である。「も」は、現実だけでなく夢にさえ、という気持ちを表し、前歌の「夢に見えずて」を強めて受けている。
三句「絶えぬとも」は、仲が絶えてしまったとしても、の意である。「ぬ」は完了の助動詞、「とも」は逆接の仮定を表す接続助詞である。
四句「我が片恋は」は、私の片恋は、の意である。「片恋」は一方だけが恋い慕うことで、係助詞「は」によって取り立てている。
結句「やむ時もあらじ」は、やむときもないだろう、の意である。「じ」は打消推量の助動詞で、恋がいつまでも続くことを強く言い切っている。
け:日数。日々
かたこひ:一方だけが恋い慕うこと。片思い
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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我が恋は慰めかねつま日長く 夢に見えずて年の経ぬれば
- 次の歌
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うらぶれて物な思ひそ天雲の たゆたふ心我が思はなくに