新治の今作る道さやかにも
聞きてけるかも妹が上のことを
- 歌の意味
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新しく切り開いて今造っている道がくっきりとしているように、はっきりと聞いてしまったことだ、あの子の身の上のことを。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 2855
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
新しく開かれた道のくっきりとした姿を序として、恋人の身の上をはっきり聞いてしまったことを歌う。何を聞いたのかは歌の中で明かされておらず、その含みが読み手の想像を誘う。
作者の柿本人麻呂は、持統天皇、文武天皇の朝廷に仕えた宮廷歌人である。本歌は左注により柿本人麻呂歌集から採られた歌とわかるが、人麻呂自身の作か、人麻呂が書き留めた歌かについては説が分かれる。
初句「新治の」は、新しく開墾した土地をいう。
二句「今作る道」は、今まさに造っている新しい道で、初句とともにくっきりとした道の様子から「さやかに」を導く序詞となる。
三句「さやかにも」は、はっきりと、の意である。
四句「聞きてけるかも」の「てける」は完了と過去、「かも」は詠嘆で、聞いてしまったことよ、の意である。
結句「妹が上のことを」は、あの子の身の上のことを、の意で、八音の字余りである。四句と倒置の関係にある。
にひはり:新しく開墾した土地
うへ:身の上
- 作者
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柿本人麻呂歌集
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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白栲の我が紐の緒の絶えぬ間に 恋結びせむ逢はむ日までに
- 次の歌
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山背の石田の社に心おそく 手向けしたれや妹に逢ひかたき