八釣川水底絶えず行く水の
継ぎてぞ恋ふるこの年ころを
- 歌の意味
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八釣川の水底を絶えず流れていく水のように、絶え間なく恋い慕い続けていることだ、この数年の間ずっと。
- 鑑賞
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巻第十二 寄物陳思 2860
詞書は前の歌に続き「物に寄せて思ひを陳ぶ」
川底を絶えず流れる水の姿に、長年途切れることのない恋心を重ねた歌である。或本では二句を「水脈も絶えせず」とする。
作者の柿本人麻呂は、持統天皇、文武天皇の朝廷に仕えた宮廷歌人である。本歌は左注により柿本人麻呂歌集から採られた歌とわかるが、人麻呂自身の作か、人麻呂が書き留めた歌かについては説が分かれる。
初句「八釣川」は、奈良県明日香村八釣のあたりを流れる川とされる。
二句「水底絶えず」は、川底を絶えることなく、の意である。
三句「行く水の」までが、絶え間ない流れから「継ぎて」を導く序詞となる。本巻の第三千十四首も川の水脈の絶えないさまを恋にたとえている。
四句「継ぎてぞ恋ふる」の「ぞ」は係助詞で、連体形「恋ふる」で結び、絶え間なく恋い続けることを強める。
結句「この年ころを」は、この数年来ずっと、の意で、恋の長さを示している。
みなそこ:水の底
つぐ:絶えずに続ける
としころ:数年来、長年
- 作者
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柿本人麻呂歌集
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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明日香川高川避かし越ゑ来しを まこと今夜は明けずも行かぬか
- 次の歌
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礒の上に生ふる小松の名を惜しみ 人に知らえず恋ひわたるかも