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玉釧まき寝る妹もあらばこそ
夜の長けくも嬉しくあるべき

歌の意味
腕を枕として共に寝る妻がいるのならばこそ、夜の長いことも嬉しく思えるだろうに。
鑑賞
巻第十二 正述心緒 2865

詞書は前の歌に続き「正に心緒を述ぶ」
 共に寝る妻がいるならば長い夜も嬉しいだろうと仮定することで、ひとり寝の夜の長さとつらさを裏から嘆く歌である。仮定の形をとることで、かえって現実の寂しさが浮かび上がる。
 作者は未詳である。巻第十二は「古今相聞往来歌類之下」と題され、名の伝わらない人々の恋の歌を部立ごとに収めている。

 初句「玉釧」は、玉で飾った腕輪のことで、腕に巻くことから「まく」にかかる枕詞である。本巻の第三千百四十八首も「玉釧まき寝し妹を」と歌い出している。
 二句「まき寝る妹も」は、腕を枕として共に寝る妻も、の意である。
 三句「あらばこそ」は、いるのならばこそ、の意で、仮定の条件を強く示す。
 四句「夜の長けくも」は「長し」のク語法で、夜が長いことも、の意である。
 結句「嬉しくあるべき」は、嬉しいことだろう、の意で、実際には共寝の相手がおらず、長い夜がつらいことを裏に含んでいる。

たまくしろ:玉で飾った腕輪、「まく」にかかる枕詞
まく:腕を枕として巻く、共寝する
作者
作者未詳
出典
万葉集
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我が背子を今か今かと待ち居るに 夜の更けゆけば嘆きつるかも
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人妻に言ふは誰が言さ衣の この紐解けと言ふは誰が言